これからエリオット波動を始める方へ
どこまで続けられるかなぁ? そんな思いもありながらこのエリオット波動のサイトを立ち上げました。しかし、現在ではその頃からは想像もできないほど、たくさんの皆さんにブログを見て頂けるようになり、ほんとに驚いています。
このブログを始めた理由は、エリオット波動のセオリーである5-2の安値付近からのトレンド転換を記録しておきたいと考えたからです(その時点ではあくまで予想です)。
もうひとつ理由があります。
今までいろいろなテクニカル指標を試してきましたが、エリオット波動とフィボナッチ(ともに自然の法則)はその中でも特に使える指標であると考えています。株式相場や為替相場などで広く使われるエリオット波動は、世界的に見てもとてもメジャーで、投資機関の多くで用いられている指標です。
しかし、日本では信じられないくらいマイナーで、エリオット波動の専門書もほとんどありません。 そこで、エリオット波動の凄さを知っていただき、楽しく波動カウントしてくれる方が少しでも増えてくれればという思いからサイトを立ち上げました。
先入観でエリオット波動は難しいと考える人もいますが、実はその理論はとてもシンプルで、また、とても楽しく相場を予想することができる指標なんです。
エリオット波動は、もともとレストランと鉄道を専門とする会計士であったラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)が作り出した株式市場などに関する独自の理論です。
エリオットは、病気になりカルフォルニアの自宅で長い闘病生活を送った時に、その時間を利用してダウ平均の過去の値動きを徹底的に調べたそうです。
そして、相場は紙飛行機のようにランダムに動いているのではなく、ある一定法則で動いているということに気付きました。
1938年に出版された「The Wave Principle 波動原理」、のちに出版された「Nature's Law 自然の法則」は、その理論がまとめられたものです。
その後、エリオット波動の研究者であるA.J.フロストとロバート.R.プレクターによって、さらに洗練された理論となり、現在では世界的にとてもメジャーな取引手法となっています。
エリオット波動の理論はとてもシンプルです。
相場の値動きは、トレンド方向に大きく進んでいく5つの波からなる推進波と、その動きを調整する3つの波(又はその変形)の修正波で1つのサイクルを構成するというものです。
そして、この5波+3波のサイクルをくり返しながら、寄せては返し波のようにトレンド方向に進み、最終的にはそれらの波が構成するよりもひと回り大きな段階の5波+3波が作り出されます(後で触れますが、これをフラクタル構造といいます)。
エリオット波動理論でとても重要なポイントになるので覚えておいてください。
※詳しくは「ひとつのサイクルは8波で構成される」をご覧ください
5波+3波の8波1サイクルのうち、トレンドを力強く押し進めていく5波の推進波には、ダイアゴナルトライアングル(リーディングとエンディングの2つ)と衝撃波の2種類があります。
しかし、推進波のほとんどは衝撃波の形で現れてきます。つまり、エリオット波動のカウントは、この衝撃波の波を数えることが中心となるわけです。
また、実際のトレードにおいても、トレンド方向に力強く進んでいくこの衝撃波の5つの波に、いかにタイミングよく乗れるかが収益を上げる大きなポイントになってきます。
衝撃波の5つの波にはある特徴(ルール)があります。しかし、ルールと言ってもとても簡単な3つだけです。
衝撃波のルールはたったこれだけなんです。 このルールをマスターすれば、推進波の大部分を理解したことになり、それだけで楽しく波動カウントすることが出来てしまいます。
ホントにこれだけと思われるかもしれませんが、本当です。 みなさん先入観で、エリオット波動は難しいと思われていますが、実はとってもシンプルなんです。
※推進波については「まずはここからエリオット波動3つの推進波」をご覧ください。
しかも、この衝撃波にはカウントの手助けをしてくれるある特徴があります。
実は、この衝撃波はチャネルラインに沿ってトレンド方向に進んでいくという特徴があるんです。
エリオット波動の衝撃波は、このチャネルラインを使ってカウントすると各段にその精度が上がってくるとともに、「この辺りで4波動目が終わり5波動目が始まるぞ!」、また「5波動目がチャネルラインにタッチしたから衝撃波が完成したぞ!」などと先の展開も読めるようになってきます。
ここまでくると、エントリーや利益確定がタイミングよくできるようになり、実際のトレードで大変役立ってくれるようになります。
エリオット波動のカウントをするときには、ぜひこのチャネリングを併用してみてください。きっと驚かれると思いますよ。
※チャネルリングは「決め手はこれ!エリオット波動のチャネリング」、「精度を上げるカウント手法」、「エリオット波動で意識される3つのチャネルライン」に詳しく記載しています。
※衝撃波の詳しい説明は「チャンスはこの5つの波にある」をご覧ください
ここまではエリオット波動の推進波についてでしたが、次の修正波をマスターすれば、エリオット波動の多くの部分を理解したといっても言い過ぎではありません。
推進波でトレンド方向に進んだ波を調整する修正波(調整波とも言われます)。 修正波は単純な3つの波で構成されるものと、その変形で構成されるものがあります。
推進波と区別するため、単純な3つの波からなる修正波はabcで表記され、その変形である複合修正波はWXYXZ、トライアングルはABCDEなどで表記されます。
修正波はパターンやその特徴を覚えます。
※トライアングルは5つの波、複合型修正波は3、又は5つの波となる修正波です。
エリオット波動理論の修正波は、上の4つの系統に分かれています。これらの修正パターンやその特徴を覚えれば、ほぼ修正波はマスターしたことになります。
複合型修正波は、フラット、ジグザグ、トライアングル等の組み合わせで構成され難しいので、少し慣れてからマスターした方がいいかもしれません。
修正波は推進波より難しいですが、チャートの動きを見ていれば「ジグザグ修正を展開しているぞ!」、「拡大フラット修正だ!」と分かるようになります。
おそらく、この辺りを実際のチャートで確認できるようになると、エリオット波動の凄さが実感できてくると思いますよ。
修正波の詳しい内容は「エリオット波動で知っておくべき4つの調整パターン」をご覧ください
もうこれだけで充分楽しく波動カウント出来るのですが、エリオット波動の強者を目指すのなら、次のステップでマスターすべきものがあります。
波動使いの強者を目指すと言っても、そんなに難しいものではありません。 少し慣れた段階でマスターするものが3つあります。
エリオット波動理論の数学的基盤は、同じ自然の法則であるフィボナッチ数列から成り立っています。※13世紀の数学者レオナルド・フィボナッチによって発見されました
したがって、エリオット波動を使って波をカウントしたチャートでは、様々な場所でフィボナッチ数列が現れてきます。
フィボナッチをマスターすれば、波動カウントのヒントや波動の節目を予測するのにとても役立ちます。
フィボナッチ数列は、0.382、0.500、0.618、1.000、1.382、1.618、2.000、2.618などです。
難しそうに思えますが、実はそうでもありません。取引ツールのフィボナッチエキスパンションとフィボナッチリトレイスメント(おそらくほとんどのFX会社の取引ツールの中に入っていると思います)を使うので、とっても簡単です。
使う場面の例としては、1波動目と3波動目の大きさの比率を測り、「3波動目が1波動目の1.618倍を越えてきた! ということはこの波動はabc波動ではなく衝撃波だ! このあとに4波→5波と続くぞ!」というような使い方をします。
その他にも、衝撃波の修正2波動目のリトレイス(2波=1波×0.618など)、修正4波動目のリトレイス(4波=3波×0.382など)、そして、5波動目の値幅(5波=1波×1.618など)など様々な局面でフィボナッチ数列を見つけることが出来ます。
このように、衝撃波副次波の節目を見通すのにとても役立つフィボナッチですが、衝撃波全体の比率にもフィボナッチが現れてきます。
衝撃波には自然の法則に基づいた理想的な形というものがあり、衝撃波はいつもこの形に近づこうとします。
上昇トレンドの3波延長型衝撃波であれば、4波動目の最安値(又はその始点や終点)で衝撃波全体が0.618対0.382に区分される形、また、5波延長型衝撃波ではその反対に4波動目の最安値(又はその始点や終点)で衝撃波全体が0.382対0.618に区分される形が理想的とされます。
この黄金区分、驚くほど機能してしまいます。 これを使えばトレンドの終点をピンポイント攻略することも可能です。ほんとにフィボナッチって凄いですね。
フィボナッチの詳しい内容は「エリオット波動の数学的基盤であるフィボナッチ」、「とっても簡単!フィボナッチを使ったトレード手法」をご覧ください。
トレンド方向に大きく進んでいく5つの波の衝撃波(推進波)。 この衝撃波の1.3.5波の内、1つの波はエクステンションしてきます。エクステンションとは波の延長のことで、このエクステンションした波動(延長波)は、1.3.5波の中で一番大きくなります。
少し表現が難しいのですが、簡単に言うと1.3.5波のどれか1つに、大きな衝撃波が内包されるのがエクステンションです。
通常、3波動目がエクステンションして最も大きな波動となることが多いのですが、なぜかFXでは1波動目や5波動目もよくエクステンションしてきます。
1波動目がエクステンションした衝撃波は、1波延長型衝撃波と言います。また、3波動目がエクステンションした衝撃波を3波延長型衝撃波、そして5波動目がエクステンションした衝撃波を5波延長型衝撃波と言います。
つまり、衝撃波には3つの種類があるというわけです。
※エクステンションの詳しい説明は「波の延長 エクステンションとは?」をご覧ください
※推進波(衝撃波)の3つの種類については「為替チャートに現れる3つの衝撃波」をご覧ください。
エクステンションは少し難しいかもしれませんが、波動カウントを続けていると自然に分かるようになってきます。 まずは習うより慣れよでしょうか。
相場は、5つの波の推進波と3つの波(又はその変形)の修正波の合計8つの波で1つのサイクルを構成し、それを繰り返しながらトレンド方向に進んでいくことはすでに触れました。
この8波1サイクルの繰り返しが完璧に進んでいくと、ひと回り大きな段階の相似の8波1サイクルが作り出されます(上図参照)。
つまり、相場には段階があり、ひとつ下の段階でも、逆にひとつ上の段階でも5波+3波の8波1サイクルで構成され、そして、各段階の波動は目標に向かい同時並行で進んでいるというわけです。
これをフラクタル構造といいます。
※R.N.エリオットは、グランドスーパーサイクル~サブミニュエットの9つの波の段階に名称を付けています
「そんなことあるわけないだろ!」と思われるかもしれませんが、本当です。
例えば、日足(ひとつ上の段階)推進波の1波動目と2波動目を、時間足(ひとつ下の段階)で見てみると、5+3の8波で構成されるのが確認できるはずです。
このフラクタル構造を利用して上位の段階を確認すると、相場のおおよその位置や将来の見通しなどのヒントが得られ、カウントの精度は各段に上がってきます。
また、トレードにおいて、どのポイントで取引しようとしているのかがイメージできるようになることから、その勝率もグッと上がってきます。
「日足段階1波動目の時間足段階3波動目を狙ってエントリーしよう!」。 ここまでくればエリオット波動の強者です。
フラクタルの詳しい内容は「波の数え方 横と縦でカウントの精度を上げる」、「実際のFXチャートで各段階の波を検証してみた」、「相場の現在地を教えてくれるフラクタル構造」をご覧ください
エリオット波動は実際のチャートで上のように現れてきます。
チャートの上昇波動は、ドル円為替相場に現れた5波動目がエクステンション(延長波を内包している)した5波延長型衝撃波です。
エリオット波動の理論(衝撃波3つのルール)通りにトレンド方向に進み、また、至る所にフィボナッチ数列が現れていることが確認できると思います。4波動目の安値で、衝撃波全体が0.618の黄金比率で区分されてるのはそのひとつです。
このように、エリオット波動理論を使えば波の節目をピンポイントで狙うことも不可能ではありません。
エリオット波動のカウントは、1つ波動が進むごとに次の波動の終点を予想していきます。 この作業がとても楽しく、どこか推理ゲームに似ています。
修正波動は1波動目が5つの波であればジグザグ修正だと見当がつくのですが、3つの波の場合、様々な修正パターンの可能性が出てきます。一発で修正波形を当てるのは難しく、1波ごとにカウント修正しながら進んでいきます。
この修正を加えながらカウントしていく作業がとても楽しいんです。
これからエリオット波動を始める方にお伝えしたいのは、カウントは修正しながら進めていくのが基本であるということです。 一発で当たらないとガッガリするのではなく、1波進むごとにあれやこれや考えながら楽しくカウントしてもらいたいと思います。
以上、エリオット波動理論を簡単にまとめてみました。
※エリオット波動をこれから始める方向けの連載をスタートしました。トップページの「エリオット波動入門」をご覧ください。また、トレード手法などは「売買戦略」をご覧ください。
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このブログを始めた理由は、エリオット波動のセオリーである5-2の安値付近からのトレンド転換を記録しておきたいと考えたからです(その時点ではあくまで予想です)。
もうひとつ理由があります。
今までいろいろなテクニカル指標を試してきましたが、エリオット波動とフィボナッチ(ともに自然の法則)はその中でも特に使える指標であると考えています。株式相場や為替相場などで広く使われるエリオット波動は、世界的に見てもとてもメジャーで、投資機関の多くで用いられている指標です。
しかし、日本では信じられないくらいマイナーで、エリオット波動の専門書もほとんどありません。 そこで、エリオット波動の凄さを知っていただき、楽しく波動カウントしてくれる方が少しでも増えてくれればという思いからサイトを立ち上げました。
先入観でエリオット波動は難しいと考える人もいますが、実はその理論はとてもシンプルで、また、とても楽しく相場を予想することができる指標なんです。
エリオット波動とは?
R.N.エリオットが作り出した波動理論
エリオット波動は、もともとレストランと鉄道を専門とする会計士であったラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)が作り出した株式市場などに関する独自の理論です。
エリオットは、病気になりカルフォルニアの自宅で長い闘病生活を送った時に、その時間を利用してダウ平均の過去の値動きを徹底的に調べたそうです。
そして、相場は紙飛行機のようにランダムに動いているのではなく、ある一定法則で動いているということに気付きました。
1938年に出版された「The Wave Principle 波動原理」、のちに出版された「Nature's Law 自然の法則」は、その理論がまとめられたものです。
その後、エリオット波動の研究者であるA.J.フロストとロバート.R.プレクターによって、さらに洗練された理論となり、現在では世界的にとてもメジャーな取引手法となっています。
エリオット波動理論はとてもシンプル
推進波(5波)と修正波(3波又はその変形)の8波1サイクル
エリオット波動の理論はとてもシンプルです。
相場の値動きは、トレンド方向に大きく進んでいく5つの波からなる推進波と、その動きを調整する3つの波(又はその変形)の修正波で1つのサイクルを構成するというものです。
そして、この5波+3波のサイクルをくり返しながら、寄せては返し波のようにトレンド方向に進み、最終的にはそれらの波が構成するよりもひと回り大きな段階の5波+3波が作り出されます(後で触れますが、これをフラクタル構造といいます)。
エリオット波動理論でとても重要なポイントになるので覚えておいてください。
※詳しくは「ひとつのサイクルは8波で構成される」をご覧ください
5波+3波の8波1サイクルのうち、トレンドを力強く押し進めていく5波の推進波には、ダイアゴナルトライアングル(リーディングとエンディングの2つ)と衝撃波の2種類があります。
しかし、推進波のほとんどは衝撃波の形で現れてきます。つまり、エリオット波動のカウントは、この衝撃波の波を数えることが中心となるわけです。
また、実際のトレードにおいても、トレンド方向に力強く進んでいくこの衝撃波の5つの波に、いかにタイミングよく乗れるかが収益を上げる大きなポイントになってきます。
トレンドを押し進める衝撃波の特徴
衝撃波の5つの波にはある特徴(ルール)があります。しかし、ルールと言ってもとても簡単な3つだけです。
とっても簡単! 衝撃波3つのルール
- ルール1 2波動目の終点は1波動目の始点を越えない
- ルール2 1.3.5波動で3波動目は1番小さな波動にならない※2番目はOK
- ルール3 1波動と4波動は重複しない
衝撃波のルールはたったこれだけなんです。 このルールをマスターすれば、推進波の大部分を理解したことになり、それだけで楽しく波動カウントすることが出来てしまいます。
ホントにこれだけと思われるかもしれませんが、本当です。 みなさん先入観で、エリオット波動は難しいと思われていますが、実はとってもシンプルなんです。
※推進波については「まずはここからエリオット波動3つの推進波」をご覧ください。
しかも、この衝撃波にはカウントの手助けをしてくれるある特徴があります。
衝撃波はチャネルラインに沿って進んでいく
実は、この衝撃波はチャネルラインに沿ってトレンド方向に進んでいくという特徴があるんです。
エリオット波動の衝撃波は、このチャネルラインを使ってカウントすると各段にその精度が上がってくるとともに、「この辺りで4波動目が終わり5波動目が始まるぞ!」、また「5波動目がチャネルラインにタッチしたから衝撃波が完成したぞ!」などと先の展開も読めるようになってきます。
ここまでくると、エントリーや利益確定がタイミングよくできるようになり、実際のトレードで大変役立ってくれるようになります。
エリオット波動のカウントをするときには、ぜひこのチャネリングを併用してみてください。きっと驚かれると思いますよ。
※チャネルリングは「決め手はこれ!エリオット波動のチャネリング」、「精度を上げるカウント手法」、「エリオット波動で意識される3つのチャネルライン」に詳しく記載しています。
※衝撃波の詳しい説明は「チャンスはこの5つの波にある」をご覧ください
ここまではエリオット波動の推進波についてでしたが、次の修正波をマスターすれば、エリオット波動の多くの部分を理解したといっても言い過ぎではありません。
トレンド方向の動きを調整する修正波
推進波でトレンド方向に進んだ波を調整する修正波(調整波とも言われます)。 修正波は単純な3つの波で構成されるものと、その変形で構成されるものがあります。
推進波と区別するため、単純な3つの波からなる修正波はabcで表記され、その変形である複合修正波はWXYXZ、トライアングルはABCDEなどで表記されます。
修正波はパターンやその特徴を覚えます。
修正波は4つの系統に分かれている
- 修正パターン1 フラット系修正波(単純な3つの波。内部波動構成は3-3-5)
- 修正パターン2 ジグザグ修正波(単純な3つの波。内部波動構成は5-3-5)
- 修正パターン3 トライアングル系修正波(変形。内部波動構成は3-3-3-3-3)
- 修正パターン4 複合型修正波(変形。上図はフラットとトライアングルの複合)
※トライアングルは5つの波、複合型修正波は3、又は5つの波となる修正波です。
エリオット波動理論の修正波は、上の4つの系統に分かれています。これらの修正パターンやその特徴を覚えれば、ほぼ修正波はマスターしたことになります。
複合型修正波は、フラット、ジグザグ、トライアングル等の組み合わせで構成され難しいので、少し慣れてからマスターした方がいいかもしれません。
修正波は推進波より難しいですが、チャートの動きを見ていれば「ジグザグ修正を展開しているぞ!」、「拡大フラット修正だ!」と分かるようになります。
おそらく、この辺りを実際のチャートで確認できるようになると、エリオット波動の凄さが実感できてくると思いますよ。
修正波の詳しい内容は「エリオット波動で知っておくべき4つの調整パターン」をご覧ください
もうこれだけで充分楽しく波動カウント出来るのですが、エリオット波動の強者を目指すのなら、次のステップでマスターすべきものがあります。
これがマスターできれば波動使いの強者
波動使いの強者を目指すと言っても、そんなに難しいものではありません。 少し慣れた段階でマスターするものが3つあります。
波動理論の数学的基盤であるフィボナッチ
エリオット波動理論の数学的基盤は、同じ自然の法則であるフィボナッチ数列から成り立っています。※13世紀の数学者レオナルド・フィボナッチによって発見されました
したがって、エリオット波動を使って波をカウントしたチャートでは、様々な場所でフィボナッチ数列が現れてきます。
波の節目を予測できるようになる
フィボナッチをマスターすれば、波動カウントのヒントや波動の節目を予測するのにとても役立ちます。
フィボナッチ数列は、0.382、0.500、0.618、1.000、1.382、1.618、2.000、2.618などです。
難しそうに思えますが、実はそうでもありません。取引ツールのフィボナッチエキスパンションとフィボナッチリトレイスメント(おそらくほとんどのFX会社の取引ツールの中に入っていると思います)を使うので、とっても簡単です。
使う場面の例としては、1波動目と3波動目の大きさの比率を測り、「3波動目が1波動目の1.618倍を越えてきた! ということはこの波動はabc波動ではなく衝撃波だ! このあとに4波→5波と続くぞ!」というような使い方をします。
その他にも、衝撃波の修正2波動目のリトレイス(2波=1波×0.618など)、修正4波動目のリトレイス(4波=3波×0.382など)、そして、5波動目の値幅(5波=1波×1.618など)など様々な局面でフィボナッチ数列を見つけることが出来ます。
このように、衝撃波副次波の節目を見通すのにとても役立つフィボナッチですが、衝撃波全体の比率にもフィボナッチが現れてきます。
衝撃波全体の黄金区分
衝撃波には自然の法則に基づいた理想的な形というものがあり、衝撃波はいつもこの形に近づこうとします。
上昇トレンドの3波延長型衝撃波であれば、4波動目の最安値(又はその始点や終点)で衝撃波全体が0.618対0.382に区分される形、また、5波延長型衝撃波ではその反対に4波動目の最安値(又はその始点や終点)で衝撃波全体が0.382対0.618に区分される形が理想的とされます。
この黄金区分、驚くほど機能してしまいます。 これを使えばトレンドの終点をピンポイント攻略することも可能です。ほんとにフィボナッチって凄いですね。
フィボナッチの詳しい内容は「エリオット波動の数学的基盤であるフィボナッチ」、「とっても簡単!フィボナッチを使ったトレード手法」をご覧ください。
衝撃波のエクステンション
トレンド方向に大きく進んでいく5つの波の衝撃波(推進波)。 この衝撃波の1.3.5波の内、1つの波はエクステンションしてきます。エクステンションとは波の延長のことで、このエクステンションした波動(延長波)は、1.3.5波の中で一番大きくなります。
少し表現が難しいのですが、簡単に言うと1.3.5波のどれか1つに、大きな衝撃波が内包されるのがエクステンションです。
通常、3波動目がエクステンションして最も大きな波動となることが多いのですが、なぜかFXでは1波動目や5波動目もよくエクステンションしてきます。
1波動目がエクステンションした衝撃波は、1波延長型衝撃波と言います。また、3波動目がエクステンションした衝撃波を3波延長型衝撃波、そして5波動目がエクステンションした衝撃波を5波延長型衝撃波と言います。
つまり、衝撃波には3つの種類があるというわけです。
※エクステンションの詳しい説明は「波の延長 エクステンションとは?」をご覧ください
※推進波(衝撃波)の3つの種類については「為替チャートに現れる3つの衝撃波」をご覧ください。
エクステンションは少し難しいかもしれませんが、波動カウントを続けていると自然に分かるようになってきます。 まずは習うより慣れよでしょうか。
8波1サイクルのフラクタル構造
相場は、5つの波の推進波と3つの波(又はその変形)の修正波の合計8つの波で1つのサイクルを構成し、それを繰り返しながらトレンド方向に進んでいくことはすでに触れました。
この8波1サイクルの繰り返しが完璧に進んでいくと、ひと回り大きな段階の相似の8波1サイクルが作り出されます(上図参照)。
つまり、相場には段階があり、ひとつ下の段階でも、逆にひとつ上の段階でも5波+3波の8波1サイクルで構成され、そして、各段階の波動は目標に向かい同時並行で進んでいるというわけです。
これをフラクタル構造といいます。
※R.N.エリオットは、グランドスーパーサイクル~サブミニュエットの9つの波の段階に名称を付けています
「そんなことあるわけないだろ!」と思われるかもしれませんが、本当です。
例えば、日足(ひとつ上の段階)推進波の1波動目と2波動目を、時間足(ひとつ下の段階)で見てみると、5+3の8波で構成されるのが確認できるはずです。
このフラクタル構造を利用して上位の段階を確認すると、相場のおおよその位置や将来の見通しなどのヒントが得られ、カウントの精度は各段に上がってきます。
また、トレードにおいて、どのポイントで取引しようとしているのかがイメージできるようになることから、その勝率もグッと上がってきます。
「日足段階1波動目の時間足段階3波動目を狙ってエントリーしよう!」。 ここまでくればエリオット波動の強者です。
フラクタルの詳しい内容は「波の数え方 横と縦でカウントの精度を上げる」、「実際のFXチャートで各段階の波を検証してみた」、「相場の現在地を教えてくれるフラクタル構造」をご覧ください
実際のチャートで見るエリオット波動
チャートの上昇波動は、ドル円為替相場に現れた5波動目がエクステンション(延長波を内包している)した5波延長型衝撃波です。
エリオット波動の理論(衝撃波3つのルール)通りにトレンド方向に進み、また、至る所にフィボナッチ数列が現れていることが確認できると思います。4波動目の安値で、衝撃波全体が0.618の黄金比率で区分されてるのはそのひとつです。
このように、エリオット波動理論を使えば波の節目をピンポイントで狙うことも不可能ではありません。
エリオット波動はとても楽しい
エリオット波動のカウントは、1つ波動が進むごとに次の波動の終点を予想していきます。 この作業がとても楽しく、どこか推理ゲームに似ています。
修正波動は1波動目が5つの波であればジグザグ修正だと見当がつくのですが、3つの波の場合、様々な修正パターンの可能性が出てきます。一発で修正波形を当てるのは難しく、1波ごとにカウント修正しながら進んでいきます。
この修正を加えながらカウントしていく作業がとても楽しいんです。
これからエリオット波動を始める方にお伝えしたいのは、カウントは修正しながら進めていくのが基本であるということです。 一発で当たらないとガッガリするのではなく、1波進むごとにあれやこれや考えながら楽しくカウントしてもらいたいと思います。
エリオ波動理論のまとめ
- エリオット波動理論はR.N.エリオットが作り出した独自の理論
- 5波の推進波と3波(その変形)の修正波の合計8波がひとつのサイクルとなる
- 推進波にはダイアゴナルトライアングルと衝撃波の2種類がある
- 推進波のほとんどは衝撃波の形で現れてくる
- 5つの波の衝撃波には簡単な3つのルールがある
- 衝撃波はチャネルラインに沿って進んでいくという特徴がある
- 3波(又はその変形)の修正波はそのパターンにより4つの系統に分かれる
- エリオット波動理論の数学的基盤はフィボナッチである
- フィボナッチを使うと波の節目が予測できるようになる
- 衝撃波全体はフィボナッチの黄金比率で区分される形によくなる
- 通常、衝撃波の1.3.5波の内ひとつの波動はエクステンションしてくる
- 衝撃波はエクステンションした場所の違いによって3つの種類に分かれる
- 8波1サイクルの繰り返しにより、ひと回り大きな段階の8波が作り出される(フラクタル構造)
- フラクタル構造を利用すると相場の現在地や次の展開がイメージできるようになる
- エリオット波動はとても楽しい
以上、エリオット波動理論を簡単にまとめてみました。
※エリオット波動をこれから始める方向けの連載をスタートしました。トップページの「エリオット波動入門」をご覧ください。また、トレード手法などは「売買戦略」をご覧ください。
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