売り買いが交錯する! 1.618の攻防






推進波と修正波の分岐点となるFE161.8




私が為替取引をするようになってまず最初にしたことは、FX関連の本を大量に読み、またインターネットでFX関連の情報を調べまくったことです。

その多くは「順張りを基本としたトレードを心掛けよ!」、「できるだけ利益を伸ばせ、利益確定が早すぎる!」というフレーズのオンパレードでした。

当時はその教えを守って為替取引をしていたつもりなのですが、なぜか全く収益を上げることができませんでした。

為替相場で価格が勢いよく上昇しているので順張りでエントリーすると買ったとたんに下がり始めたり、また利益が少し乗っても、もっと利益を伸ばそうとし、結局損切りになったり散々でした。

そんな時、エリオット波動に出会い為替相場には波があることを知り「押し目買い」や「戻り売り」の必要性を痛感したものです。


ただ、その波はどこまで寄せて、どこで返ってくるのかが分かるまでは苦労しました。

当たり前ですよね。ある程度のルールが分からなければ、どこでエントリーしていいか分からないですから。




為替相場におけるエリオット波動の1サイクル


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エリオット波動では、5つの波動で寄せて3つの波動で返して1つのサイクルを構成します。

エリオット波動を知った当初は、「そんなの適当だろ」と思いましたが、自分で波動を数えてみると、まさにその通りのサイクルを構成していて、とても驚いたのをよく覚えています。

「なんだ、これさえ分かれば絶対勝てる!」。そう思いますよね。 為替相場の未来地図を見ているようなもんですもの。

ただ、実際にこの未来地図でトレードしてみると以外に難しいんです。「5つの波動だ!」と思ってホールドしていると、結果3つの波動だった。

逆に、「3つの波動だ!」と思い利益確定すると、結果5つの波動になり利益を伸ばし損ねたり。

そうなんです。どうなれば5つの波動になり、またどうなれば3つの波動になるというルールを知っていないとエリオット波動を活用しきれないんです。



エリオット波動におけるフィボナッチ比率1.618とは


エリオット波動では、3つのツールがあれば、波動を数えることができます。

  • チャネルライン
  • フィボナッチリトレイスメント
  • フィボナッチエキスパンション

これらはどれもよく使われるものなので、どのFX会社の取引ツールの中にも入っていると思います。この中で、エリオット波動の推進波と修正波を見分けるのに特に役立つのがフィボナッチエキスパンションです。

多くの人は使っていると思いますが、このフィボナッチエキスパンションは、1つ目の波動と3つ目の波動の大きさなどを比べるツールです。「3波は1波のFE100」と言われれば、1波動目と3波動目の大きさが同じということになります。

皆さんは、このツールを使っていて以下のような経験はないでしょうか?

3波動目が1波動目のフィボナッチ比率1.618倍の価格帯で激しく値が上下する。そうなんです、実はこのフィボナッチ比率の1.618倍は、エリオット波動において、5つの波動になるのか、それとも3つの波動になるのかの分岐点になるんです。

この価格帯では売り方と買い方が激しくやり合うところなんです。


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売り方にすれば、フィボナッチ比率1.618倍を超えてロウソク足の実線を付けさせなければ、この上昇が3波動(abcの修正波)で終わり、逆に新たな下降5波動の始点になる可能性があります。

買い方にすれば、フィボナッチ比率1.618倍を超えてロウソク足の実線を付ければ、その後4波動、5波動と続いて行く可能性が高くなり、また3波動目が2.618倍まで延びる可能性も出てきます。
(ただ、多くの場合は「皆さん見てくれましたか? 1.618倍を超えましたよ。」という足跡を残して4波の下降に入ります。 その4波動の押し目がエントリーポイントになります。)

それぞれの思惑が交差するのが、このフィボナッチ比率1.618倍なんです。ただ、厳密に言うとフィボナッチ比率1.618倍を超えても3波動で終わることもあります(ジグザグのc波動は、稀にa波動の2.618倍になることもあるため)。

たとえエリオット波動を理解していなくても、この法則を知っておけば「高値買い」や「底値売り」などのリスクが減るばかりではなく、自分なりのトレードプランが立てれるようになってきます。

興味のある方は、フィボナッチ比率1.618倍を意識してチャート見てください。激しい攻防が行われていると思います。

エリオット波動については「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧ください。