ドル円は5-2波動の安値付近がポイント! 


来週の為替予想 ドル円はトレンドの分岐点にあるのか?





今週のドル円為替相場は、米国利上げ期待でじわじわと上昇といった相場でした。



また、27日のイエレンFRB議長の「今後数ヶ月での利上げが適切」との発言を受けて、ドル円は110.45まで上昇してきました。


ドル円相場は中期的なトレンド分岐点にある可能性もでてきましたので、本日は長期的な視点から今後のドル円為替相場を見通してみたいと思います。



エリオット波動 大きな段階の現在までの波動カウント

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上のチャートはドル円為替相場の週足です。

現在のドル円は、大きな段階では、(A)波動に対する修正波動の(B)波動が進行しています。

(B)波動は5月3日の105.55を付けて、切り返してきたというのが現在のドル円相場の現状です。

この105.55は、(A)波動のフィボナッチ比率38.2(赤い○)です。

エリオット波動的に、ドル円相場を大きな段階で長期的にみれば、将来は125.85を大きく超えてくる(C)波動が進行します。

しかし、この105.55で(B)波動が終了して、ここから125.85を超えてくる(C)波動が始まるかといえば、その可能性は低いと考えています。




フィボナッチ比率については「フィボナッチの基礎知識とエリオット波動での使い方」を参照。






なぜドル円相場の(B)波動が終わっていないのか?




その理由のひとつは時間的要因です。

(A)波動は2011年から始まり、2015年の6月まで続きました。

そこからの(B)波動が、ここで終了するには期間があまりにも短すぎます。

たしかに、小さな段階の波動で勢いがあるC波動(又は3波動)は、フィボナッチ比率38.2で、短い修正で反転することは稀にありますが、大きな段階の波動では、その可能性はかなり低いと思います。



もうひとつの理由は、エリオット波動の定石です。

エリオット波動では、前の推進波(このドル円相場ではA波動)の5波動目が延長しているケースは、その修正波は少なくとも延長した5波動目の副次波の2波動目の安値までは修正してきます。

まさに、このチャートのドル円の(A)波動は5波動目が延長しており、副次波の2波動目の安値(ここでは青2)までは、最低でも修正してくることになります。

この副次波の2波動目の安値は、(A)波動のフィボナッチ比率50.0(青い○)にあたります。

つまり、遅かれ早かれ100.80付近の目標は達成してくるのではないかと見通しています。



ドル円相場はどのような波動で目標に到達するのか?

調整を挟むケース

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ではどのように目標を達成してくるのでしょうか。

エリオット波動的には、2通り検討できると考えます。

上のドル円チャートは、一旦調整を挟んで目標を達成するケースです。

105.55までを修正のA波動と考え、この後のB波動、C波動で100.00付近まで下降する。

この場合は、現在までの下降はA波動の内部波動のabc波動となります。



5波動目の延長のケース

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上のドル円チャートは、C波動の5波動目が延長して目標を達成するケースです。

エリオット波動的には、どちらのケースでも正当化される波動ではないかと考えます。


来週の波動がとても重要ではないでしょうか。



ドル円は来週の波形が今後を方向付ける?


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上のチャートは、一旦調整を挟むケースのイメージです。

ドル円の現在の波動が推進波で、5波動目が延長した場合は、直近高値の111.88を超えることになり、一旦調整を挟む可能性も出てくると思います。

ただ、下降推進波の5波動目の副次波の2波動目が3-3-5の拡大フラットを形成してきているとも考えられるので、最終的には、113.800(太赤ライン)を超えるまでは下降5波動の延長の方向が強いのではないかと予想しています。


直近のドル円1時間足の波形は、112.60付近まで上昇してもおかしくない波動を形成しており、来週の1週間は注目しておきたいと思います。

※エリオット波動については「エリオット波動理論を使いこなす為の基礎知識」をご覧ください